シャンパンコルクの一輪挿し「chokont」が生まれるまで

一輪の花から、小さな物語がはじまる。

chokont(チョコント)は、
シャンパンコルクから生まれた
「花を抱く小さな住人たち」のアトリエです。

ひとつとして同じ形のないコルクに表情を与え、
季節の花を一輪飾れる、小さな一輪挿しに仕立てています。

花を挿すと、
まるで小さな住人が花の傘を差しているよう。

このページでは、
chokontが生まれたきっかけから、
現在の「花を抱く小さな住人たち」へと育つまでの
約10年の物語をご紹介します。

もうひとつの、自由なものづくり

私は、ビーズスクールで2年間基礎を学んだあと、
アクセサリーの制作と販売を続けてきました。

大人の女性の顔まわりを明るく見せる、
上品で華やかなアクセサリー。

それが、アクセサリー作家として
20年以上大切にしてきた私のものづくりの軸です。

一方で、心の中にはずっと、
アクセサリーとは少し違うものを
自由に作ってみたいという思いがありました。

暮らしの片隅にちょこんと佇み、
目が合うたびに、思わず頬がゆるむもの。

小さいけれど、どこか温かく、
その姿から物語が浮かんでくるもの。

そんな、私自身の心が動くものを
自由な発想で作ってみたい。

その思いから生まれたのが、
現在のchokontへとつながる
小さなコルク人形でした。

シャンパンコルクとの出会い

ある日、スパークリングワインを飲み終え、
何気なくシャンパンコルクを手に取りました。

ふっくらと丸みを帯びた上部と、
すらりと伸びた下の部分。

その小さな姿を眺めているうちに、
まるで誰かがそこに立っているように
見えてきたのです。

「この形に、顔をつけてみたい」

そんな小さなひらめきから、
手元にあったビーズで目や鼻をつけました。

さらに、当時幼稚園に通っていた次男の
制服と帽子をモデルに、
色を塗り、フェルトで小さな帽子を作りました。

そうして生まれたのが、
最初のコルク人形です。

シャンパンコルクは、
形、色、模様、刻印が一つひとつ異なります。

丸みのある子。
すらりとした子。
少し傾いた、愛嬌のある子。

顔をつけると、
それぞれがまったく違う表情を見せてくれました。

役目を終えた小さなコルクが、
人の手によって新しい表情と物語を持つ。

その面白さに、
私はすっかり心を奪われてしまいました。

喜びを教えてくれた、最初の住人たち

ちょうどその頃、
私は次男の幼稚園で行われる謝恩会の
準備を担当していました。

そこで思いついたのが、
コルク人形を使った席札です。

幼稚園の制服を着た小さな住人たちを作り、
一体ずつ名前を添えて、
謝恩会のテーブルに並べました。

当日の謝恩会会場です

会が終わったあと、
出席した皆さんが
コルク人形の席札を持ち帰ってくださいました。

私が作った小さなものが、
誰かの心を動かし、
その人の暮らしへ迎え入れてもらえる。

その光景を目にしたときの喜びは、
今でも忘れることができません。

この経験が、
コルク人形を単なる思いつきで終わらせず、
作品として育てていきたいと思う
大きなきっかけになりました。

花を抱くコルク人形を作りたい

花を抱くコルク人形を作りたい

アクセサリー作家として活動する中で、
私はマニキュアフラワーを制作していました。

ある日、ふと思ったのです。

「このマニキュアフラワーを、
コルク人形に持たせたら可愛いかもしれない」

そこから、花の大きさや人形とのバランスを考えながら、
何度も試作を重ねました。

最初に誕生したのは、
小さなマニキュアフラワーを抱えたコルク人形です。

小さなコルク人形が花を抱く姿を見たとき、
私の中に、さらに新しい夢が生まれました。

「この子たちをきちんと自立させて、
本物の花を一輪、抱かせてみたい」

作った花を持たせるだけではなく、
季節の花を自由に飾れる一輪挿しにしたい。

けれど、そのためには二つの課題がありました。

小さなコルク人形を、
どうすれば安定して立たせられるのか。

そして、本物の花を、
どうすれば自然に抱えているように見せられるのか。

ここから、コルク人形の一輪挿しを形にするための
試行錯誤が始まりました。

試行錯誤の末に生まれた、一輪挿し

「どうすれば、小さなコルク人形を
安定して自立させられるのだろう」

いろいろな方法を調べましたが、
当時は参考にできるような
“立っているコルク人形”がほとんど見つかりませんでした。

それなら、自分で方法を考えるしかありません。

悩み、試し、作り直しながら
ようやくたどり着いたのが、
粘土で足元を作り、
コルク人形を立たせる方法でした。

人形を立たせる方法が決まったあとも、
まだ調整は続きました。

本物の花を持たせたときに、
人形の姿が不自然に見えないこと。

花をきちんと支えながら、
本当に両腕で大切そうに抱えているように見えること。

小さな人形と花のバランスを確かめながら、
少しずつ形を整えていきました。

顔づくりで大切にしたのは、
目が合ったときに、
思わずこちらもほほ笑んでしまうような表情です。

何度も試作を重ね、
現在につながる、やさしいほほ笑み顔が生まれました。

そして、ついに完成したのが、
自立するコルク人形の一輪挿しです。

温かな表情を持つシャンパンコルクと、
みずみずしい一輪の花。

二つが出会うことで、
小さな住人が花を大切そうに抱く
chokontならではの景色が生まれました。

捨てられてしまうこともあるシャンパンコルクが、
一輪の花とともに、
誰かの暮らしに小さな笑顔を届ける存在へ。

こうして、
花を抱くコルクの小さな住人
「chokont」の一輪挿しが誕生しました。

約10年をかけて広がった、小さな住人たちの世界

最初の一輪挿しが誕生してから、
約10年がたちました。

記念すべき第一号の住人は、
今も我が家のキッチンで
小さな花を抱いてくれています。

第一号の子は今も現役

最初は一体だけだった小さな住人たちにも、
少しずつ仲間が増えていきました。

季節の花を抱く住人。

メガネや帽子を身につけた、
それぞれに個性のある住人。

犬や猫をモチーフにした、小さな家族。

大切な日の思い出に寄り添う、
新郎新婦のウェルカムドール。

カードやペンを持ちながら、
机の上で働いてくれる住人たち。

ありがたいことに、
これまでに多くの方からご注文をいただき、
小さな住人たちは日本各地へ旅立っていきました。

贈り物として選んでくださる方。

季節の花を飾るために
ご自身の住人を迎えてくださる方。

結婚式や記念日のために、
大切な人への思いを託してくださる方。

一体のコルク人形から始まった小さな物語は、
迎えてくださった方の暮らしの中で、
新しい物語へと続いています。

ひとつとして同じ姿のない、小さな住人

chokontに使用している
シャンパンコルクの形や刻印は、
一つひとつ異なります。

同じデザインで制作しても、
まったく同じ住人が生まれることはありません。

ふっくらとした姿も、
少し傾いた姿も、
そのコルクが長い時間を過ごしてきた証です。

私は、その形を無理に揃えるのではなく、
一つひとつの個性を見つめながら
最も似合う表情に仕上げています。

掲載写真とまったく同じ姿ではないことも、
chokontの大切な魅力の一つです。

世界に一体だけの小さな住人との出会いを、
楽しんでいただけましたら幸いです。

一輪の花から、小さな物語がはじまる

大きな花束でなくても、
一輪の花があるだけで、
いつもの景色は少しだけ変わります。

庭に咲いた小さな花。

お花屋さんで心惹かれた季節の花。

大切な方から受け取った一輪。

花を抱く小さな住人は、
その一輪を大切に抱えて、
小さな物語を添えてくれます。

忙しい毎日の中で、
自分のために一輪の花を飾ること。

小さな住人と目が合い、
ふっと心がゆるむこと。

chokontが、
そんな穏やかな時間を届けられる存在であれば、
これほど嬉しいことはありません。

一輪の花から、小さな物語がはじまる。

あなたの暮らしにも、
心惹かれる小さな住人を
迎えていただけましたら幸いです。



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